棟方志功記念館

   

春の展示

春の展示
海と山-故郷と旅-

2020年3月10日(火)~6月14日7月5日(日)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休館(4月11日(土)~5月20日(水))により会期延長しました。
午前9時30分~午後5時(4月からは午前9時開館)
月曜日(祝日及び4月20日、27日は開館)
2020春チラシ表

 昭和3年、上京後ようやく帝展に初入選を果たした棟方は、すぐさま報告に帰った久しぶりの青森で、従弟と津軽半島一周の旅に出かけました。龍飛での一夜が明け、最北端の龍飛崎から、遥か彼方の東京まで山々が連なっていることに感動した棟方は、絵を描きたい衝動に駆られ、岩頭にカンバスを立てると津軽の海や山を描いたといいます。「今のわたくしに海、山の広い大きな世界をひらかせてくれたのは、津軽半島一周の因縁でありました。津軽の旅路の贈ってくれましたものを、いつまでもいつくしんでいます。」と回想するこの旅は、その後の棟方作品に少なくない影響を与えています。
 日本海、津軽海峡、太平洋と三方を海に囲まれ、八甲田や岩木山、恐山などの個性的な山で知られる青森に生まれた棟方は、八甲田に足繁く通い、合浦公園から海と山を臨み、繰り返し写生して風景を心に焼き付けました。昭和33年夏、青森に帰り久しぶりに八甲田に登った棟方は、見下ろした海と山の大自然からひらめいて《海山の柵》を制作します。全長約9mにもなるこの巨大な板画は、海と山の恩恵に感謝し、大自然の平和に祈りが込められています。副題には“乾坤なる父母上に寄する”と付けられ、雄々しい山は父の象徴、豊穣なる海は母の象徴として描かれました。また、昭和40年制作の《津軽海峡の柵》でも海は女性や母の象徴として描かれますが、直接的に海は描かれず、4人の裸婦が赤子を祝福する生命の誕生をテーマにした作品になっています。
 津軽半島一周の旅で「絵というものの魂というのでしょうか、生命というよろこびを知った」と語る棟方にとって海と山の雄大な大自然は、天地のもろもろを含む森羅万象、生命の喜びまでも連想する大きな世界であり、生涯想い描き続けました。春の展示では、故郷の海と山や、それらから想を得た作品、また、どこに旅をしても筆を走らせてしまう海と山のある風景を紹介します。

主な展示作品

海山の柵

《海山の柵》板画
1958

八甲田連山図C

《八甲田連山図C》倭画
1973

日立海太平洋図

《日立海太平洋図》油絵
1972

津軽海峡の柵


《津軽海峡の柵》板画
1965