棟方志功記念館

   

冬の展示

冬の展示
板極道

2023年12月19日(火)~2024年3月31日(日)
開館時間/午前9時30分~午後5時
休館日/月曜日(祝日及び1月22日、29日は開館)、12月29日~1月1日
観覧料/一般550円(450円)、学生(専門含む)300円(200円)、高校生200円(100円)小・中学生 無料
※( )は20名以上の団体料金

 棟方志功の自伝『板極道』。この中で棟方は、武者小路実篤の「この道より我を生かす道なし、この道を歩く」ということばを板画の道として進む心のことばにしたと語り、なんとかして道を極めるところの極道に近づきたいとしています。
 ゴッホの絵を見て画家を目指し上京するも次第に油絵の在り方に疑問をもち始めた棟方は、「洋画でいう遠近法をぬきにした、布置法による画業を見出したかったのでした」と若い気焔をもやしたて、ゴッホが高く評価した日本の木版画へと目を向けます。この布置法とは全体の構成をモチーフの配置によって考えることで、遠近法を使う油絵では伸び悩んだ棟方ですが、平面芸術の版画に転向してからは視力の弱さをカバーできる対象の模様化という独自の表現方法を生み出すなど、天性のバランス感覚とデザイン力が追い風となって躍進していきました。1942年には“版画”を“板画”とよぶことを宣言し、自らの道を切り開いていきます。作品の大きさ、連続性、複数性、彩色方法などで版画界の常識を次々と打ち破り、版画の地位向上のため奔走した棟方は戦後1955年、1956年、2年連続で国際美術展の最高賞を受賞し、日本の木版画で世界に名を馳せます。国内ではメディアへの露出や本の装幀など身近なところでも親しまれるようになるほど活躍し、また、本業の板画で奮闘するからこそ倭画、油絵、書などその他の制作も生涯楽しみました。そして1970年に文化勲章を受章すると、その功績を称えられ愛してやまない故郷青森に棟方志功記念館が建設されました。
 最晩年に撮影された記録映画「彫る 棟方志功の世界」は最後、棟方の豪放な言葉で締めくくられています。「終わりもはじまりもないですよ。世の中。大丈夫!永劫だ!」 棟方の作品が時代を超えて広く愛され続けることを願って、生涯の芸業を展観いたします。

主な展示作品

《華厳譜》風神の柵 板画
1936

《柳緑花紅頌》雪萃の柵 板画
1955

《フヂヤのオンチャのネプタ図》倭画
1972

《初冬風景図》油絵
1924

関連イベント

学芸員によるギャラリートーク

  • 日時:第一・第三水曜日(12/20、1/3、1/17、2/7、2/21、3/6、3/20)14:00~30分程度
  • 会場:棟方志功記念館展示室
  • 参加費:要観覧券
  • 申込不要