君も未来のムナカタだ!棟方志功流「板画」ワークショップ実施報告

今年2月から当財団と青森県立美術館では、毎月1回棟方志功の技法や作品に関連したワークショップを開催しておりますが、7月のワークショップは、7月19日に開幕した「棟方志功没後50年記念展 青森の子 世界のムナカタ」の関連イベントとしてお届けしました。

彫って摺って色を付けるところまで、志功さんの板画の全工程を2時間で行うという盛沢山なメニュー、特別講師は石井頼子先生(棟方志功孫、棟方志功研究家)というスペシャル版です✨

午前中は年齢制限なし、午後は小中学生とその保護者を対象に行い、計46名の方が参加されました。

まずは石井先生から、志功さんの作品や「裏彩色」をはじめとする制作技法、楽しいエピソードなどについてのお話がありました。

会場に飾ったのは志功さんの本物の作品です。

続いて、石井先生の解説にあわせて、工程とやり方を講師陣が一通り実演。

いよいよ制作開始です。下絵を考え、板木に4Bの鉛筆で描くところからはじめます。そして、彫刻刀で彫っていきます。使うのは丸刀1本のみ!

彫った板木を墨で摺ります。版画用インクではなく墨汁を使い、ローラーではなくブラシで板木に墨を付けるのが棟方流。摺りは棟方が特に大事にしていた工程なので、講師陣も丁寧にサポートしました。

立派な「作品」に仕上げるため、完成したしるしである落款も作って捺すところまでが今回の体験メニュー。摺った板画を乾かしている間に、スチレンボードを使って落款を作ります。1.5センチ角のスチレンボードに、ボールペンで書きたい文字を書くだけで、簡単に落款が作れます。

そして、裏彩色。志功さんの原点である「ねぶたの色」8色を使います。ここでも志功さんに倣って、使う筆は1本だけ、色は混ぜず、筆は洗って布でぬぐう、というやり方を実践しました。裏彩色を体験するワークショップは毎回人気ですが、今回もお子様から大人の方まで色々な色や塗り方を試しながら楽しんでいるようでした。

最後にサインを入れて落款を捺して額に入れたら、完成!皆さん楽しみつつ2時間という限られた時間の中でとても頑張って自分だけの「作品」を完成させていました。

出来上がった作品を手に、石井先生を囲んで記念撮影♬展覧会場で中学生以下のお子様にお配りしている志功さんメガネをかけて、皆さんいい笑顔です!

今後も志功さんの人物像や作品を知るきっかけを提供できるよう、子どもも楽しめる創作体験を続けていきたいと思います。県立美術館HPや棟方志功記念館SNSで随時情報発信していきますのでぜひチェックしてください。

講師の石井先生、参加者の皆さま、お手伝いいただいた先生方、どうもありがとうございました。

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