棟方志功記念館

   

冬の展示

冬の展示
志功三楽

2021年12月14日(火)~2022年 3月13日(日)
午前9時30分~午後5時
休館日/月曜日(祝日及び1月17日、24日、3月7日は開館)、12月29日~1月1日

 棟方志功は1959年初めての外国旅行で訪れたアメリカの地で、倭画作品《志功三楽屏風》を制作しました。読んで字の如く志功の三つの楽しみを表すものであり、その三つとは「故郷青森を想うこと」、「家族と茶を嗜むこと」、「絵を描くこと」。これら三つは棟方にとって毎日の生活に欠かせない、とても大切なことでした。海外で初めて体験する非日常のなか、日本での日常を恋しく思い描いたのかもしれません。また、これら三つの楽しみは平時から好んで描いていた主題でもありました。
 故郷に思いを馳せることを楽しみの一つに数えるほど、青森に生まれたことを誇りに思っていた棟方。21歳の時に上京して以降一度も住むことはありませんでしたが、その深い郷土愛は、県内各地の風物はもちろん、貧困や飢饉といった哀しい側面を描き出した作品でも表しています。
 棟方家では「茶」と言えば抹茶のこと。茶をこよなく愛した棟方は、仕事の合間は家族で茶を飲んで寛ぎ、旅先にも茶道具の携行を欠かしませんでした。また、茶を点てるチヤ夫人の姿を描いたり茶道具の絵付けをしたりと、舌で味わうだけにとどまらず芸術家らしく表現の域にも楽しみを広げました。
 幅広く芸業を展開した棟方ですが、倭画は「筆が勝手に動き出す」、油絵は「一番楽しい」と語っています。倭画や油絵は純粋に絵が楽しいという気持ちで向き合うことができ、板画の仕事で抱く緊張感を解きほぐす存在でもあったようです。棟方の肉筆画は、その思いがそのまま現れ出ているような明るい色彩と軽やかな筆致が魅力です。
 冬の展示では、青森への想い、お気に入りの茶道具、筆を執る自身の姿、といった三つの楽しみを主題とした作品を集めました。身近なものに目を向けた作品や愛用していた品などと併せて、棟方の日常や趣味、嗜好に触れてみたいと思います。

主な展示作品

《東北風の柵》板画
1969

《志功三楽屏風》より志功執筆図 倭画
1959

《仕事真最中雑華堂家族達》油絵
1950 頃

《女人図(愚朗茶碗)》茶碗
1957