棟方志功記念館

   

春の展示「AOMORI NO KO」

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3月16日(火)より春の展示「AOMORI NO KO」が始まります。

2021春の展示チラシ表

鷺が空を飛び、オモダカや菖蒲の花が咲き乱れる故郷ののどかな風景。1960年制作の板画《鷺畷の柵》は、青森県知事室の壁面に飾られた作品です。当時の副知事で棟方の2学年上、後に当館初代館長となった横山武夫はこの作品について、「私も志功さんも少年時代に遊んだ善知鳥沼や、カマジュウ沼の面影が、野の菖蒲に、葦の茂りに、蓮の花に、オモダカに、遊ぶ親子の善知鳥に、そして飛翔する一群の鷺の浄らかさが表現されている。ここには、私達の青森を恋い願う世界があり、高まる昂奮を、私はおさえることが出来なかった」と述べており、棟方の心象風景のようにも見えるこの装飾的な風景は、当時の青森を知る者にとっても懐かしさを感じさせる風景だったことが分かります。

青森市・善知鳥神社のほど近く、棟方の生家は鍛冶屋でした。父は腕のいい職人で、母は15人の子を産み、父が作った鉤などを売ってはその日食べるものを手に入れる苦しい暮らしでした。棟方は祖母の腰巾着となって信心を知り、善知鳥神社の境内で遊び、凧絵やねぶた絵に興味を持ちました。複数の自著で語られるこれらの青森時代の話は、板画、倭画、油絵と棟方の芸業に深く関わっていきます。自伝『板極道』(1964)で「目が弱いわたくしは、モデルの身体の線も見えて来ないし、モデルも生涯使わないで行こう。こころの中に美が祭られているのだ。それを描くのだ」という自身の画業の方向性を語りますが、これは合浦公園や浅虫、八甲田へ足繁く通って写生に没頭し、身体で感じた美しさを自分のものにしたという自負あってこその決意です。棟方は生涯、青森で得た経験、素材を生かし作品を生み出しました。

このたびの展示では、故郷の風景や、父や母から受けた恩情など、棟方が愛し、どこにいても想いを馳せた青森にまつわる作品をご紹介します。 また、東日本大震災から10年、棟方が青森だけではなく東北の発展や豊穣などにも祈りを込めて制作した作品もあわせてご紹介いたします。

会期:2021年3月16日(火)~6月13日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(4月からは午前9時開館)
休館日:月曜日(祝日及び4月19日、26日は開館)

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