棟方志功記念館

   

春の展示「祝祭/祈り」

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3月15日(火)より春の展示「祝祭/祈り」が始まります。

 現在多様な形で存在する祭りや行事は、元々祈りが起源のものが多くあります。棟方志功の愛した「青森ねぶた祭」もその一つです。ねぶたは、睡魔を払い穢れを流す七夕祭りの灯籠流しが起源とも考えられています。また、津軽地方の代表的な民俗行事「お山参詣」は、五穀豊穣や家内安全を祈願して岩木山に集団登拝する行事です。このほか、ひな祭りや端午の節句といった無病息災や健やかな成長を願う季節の行事など、願いを込めた特別な日は私たちの日常の中にあります。

 “祈りの人”と呼べるほどあらゆるものに祈りを捧げた棟方。板画を制作するときの心境についてこのように語ります。「板画をつくる時に、なんとしても仏の顔が、一番さきに浮んで参ります。景色をつくらねばならない時にでも、菩薩の顔が先ず出来てくるのです。どうしてか判りません。そうでないと安定が出来ない様です」(『板画の道』1956) これは、信心深く毎日お経を唱える祖母の背中で育ち、祖母に連れられ訪れた寺で地獄の掛図を恐ろしい思いで眺めたことなど、幼い頃の宗教体験が身に染みているのでしょう。写生が終わると必ず景色におじぎをし、上京後も遠く離れた故郷のことを想っては願いを込めて制作し、自らの作品に描かれた仏様にも素直に祈りました。棟方の生活の中に宗教があり、板画がありました。

 年中行事として私たちの日常にあった祭りが相次いで中止されてから2年。厄除けとして鍾馗の絵を描いたこともある棟方がもしこの時代にいたら、多くの祈りの絵を生み出したのではないかと思わずにはいられません。春の展示では、活気にあふれ勇壮な山車が練り歩くねぶた祭りを楽しみに描いた作品や、苦難の多い地である故郷青森を仏の力を借りて幸せにしたいと願い制作した板画《東北経鬼門譜》、入院中に七転び八起きの願いを込めて描いたであろう《達磨図》など、祭りや祝い、仏といった棟方が祈りを込めて描いた作品を展観し、平穏な日常を願います。

会期:2022年3月15日(火)~6月12日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(4月からは午前9時開館)
休館日:月曜日(祝日及び4月11日、18日、25日、5月2日は開館)

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